本誌前号ではボタニック温熱の特徴である6.27μmの遠赤外線について特集しました。体温を上げて免疫機能を高める6.27μmの遠赤外線は、がんやアレルギーなどの慢性疾患のサポートや、不妊治療にも成果を上げています。ポイントは細胞の中の「ミトコンドリア」を活性化させること。健康レベルを引き上げるボタニック温熱の秘密に迫ります。
ボタニックの温熱器から放たれる6.27μmの波動は、体内の水分子(血液など)を振動させ、熱を作り出します。温められた血液が全身を巡ることで、体温アップや免疫機能の向上をサポートします。
「冷えは万病のもと」と言われるように、低体温や体の冷えは様々な病気と密接に関わっています。例えば、日本人の2人に1人がかかるとされるがんは、温度が低い環境を好み、増殖するとされています。反対に、高い温度環境ではがん細胞は増殖できず、42度を超える環境では、著しく生存率が低下します。
アレルギーの場合は、代謝不全や自律神経の乱れなどの慢性的な症状や、体温調節がうまくできなかったり、汗をかかない、暑さに弱いなど、低体温からくる体の機能の低下が原因の一つと言われています。
これらの考えから、統合医療の本場ドイツやアメリカ、メキシコ(医療特区の地域)では、温熱療法を取り入れるクリニックが数多く見受けられます。「がん細胞は熱に弱い」という性質から、がん治療では欠かせない療法となってきています。
不妊治療に関しても体を温めることはとても重要です。低体温で血液循環が悪くなると、体は生命維持に関わる臓器に対して優先的に血液を送るため、十分に血液が行き届かない臓器が出てきます。女性の場合は、子宮や卵巣などがそれにあたり、結果として十分な栄養が行き渡らなくなるケースがあります。
仮に栄養が行き届いても、体温が低い状態ではうまく代謝できません。免疫学で知られている医学博士の安保徹先生は「体内で栄養素が十分に働くためには、平均体温を36.5度以上にする必要がある」と述べています。
その他にも卵巣機能の低下、排卵障害、卵の発育不全などの症状は、低体温や冷えが原因で起きると訴える医師や専門家も少なくありません。
体温を上げると体内で具体的にどのような変化が起きるのでしょうか?
最も影響を受けるのが細胞の中の「ミトコンドリア」です。ミトコンドリアはエネルギーを作る工場のようなもので、血液によって運ばれてきた栄養素と酸素を触媒にエネルギーを作り出します。一つの細胞の中には、健康な人でおおよそ1500個のミトコンドリアがあるとされています。全身の細胞で考えると私たちの体には、天文学的な数のミトコンドリアがあることになります。これらのミトコンドリアが生命活動を維持するために絶え間なくエネルギーを生み出しています。
ミトコンドリアの数は、年齢とともに減少するとされていますが、実は温度にも影響を受けます。ミトコンドリアの働きには「温度依存性」があり、ある一定の温度で働きが高まるとされています。その温度は37度がベストと考えられており、高すぎても低すぎてもミトコンドリアの働きは衰えてしまうため、最低でも体温を36.5度以上に保つことが理想とされています。
また、がん患者のミトコンドリアの数が極端に少ないことから、がんの原因や治療などにも関係していると考えられています。
妊活においてもミトコンドリアは重要です。卵子は、新しい細胞を誕生させるために多くのエネルギーを必要とします。そのため、他の細胞に比べてミトコンドリアの数は多く存在します。その数なんと約10~20万個と言われています。これらのミトコンドリアが健全に機能していれば、妊娠の確率は格段に高まると考えられます。
加齢とともにミトコンドリアは減少してしまいますが、低体温や冷えなどで血流が悪くなれば、ミトコンドリアも劣化に拍車がかかります。体温を上げ、血流を上げることで十分な酸素を送ることができれば、ミトコンドリアは再び活性化し、妊娠しやすくなったり、がんやアレルギーの予防にもつながります。
栄養摂取と合わせて体をしっかり温めることで、ミトコンドリアを元気に保つことが、健康で若々しい身体づくりのポイントといえるでしょう。
エネルギー源となる栄養素(アミノ酸、単糖、脂肪酸)と酸素、補酵素(ビタミンB群など)を取り込み、エネルギーを生産する小器官。