がんをはじめとする生活習慣病の多くは、普段の食事や栄養状態が大きく関わるとされています。がんの統合療法が盛んなアメリカやメキシコでは、がん患者の生存率が高い数字を示しています。その内容をみると、食事指導や栄養療法が組み込まれているケースが多く見られます。ボタニック・ラボラトリーが提供するがん患者を対象としたフードプログラムは、海外のがん栄養療法などを実践的に学ぶことができます。なぜ今がん治療に栄養療法が必要なのか? その実態とプログラムの内容について紹介します。
人生100年時代と言われる今、私たちにとって「健康」はとても重要なキーワードです。
「医療」の進歩などにより、日本人の平均寿命は年々延びていますが、その反面ここ数十年でがんやアレルギー、精神疾患、認知症などさまざまな病気が増え続けています。そんな中、介護や寝たきりではなく健康的に人生を送る期間、すなわち「健康寿命」を延ばすことが現代医療にとっての課題であり、多くの人が望んでいることと言えるでしょう。
今、日本人女性の3人に1人、男性では2人に1人ががんになる時代と言われ、罹患者以外にも家族やパートナーを含めれば、ほとんどの人ががんを身近に感じていると思います。日本人のがんによる年間死亡者数は、2020年の統計で約37万人(※1) にのぼり、毎日約1000人余りの人が亡くなっている計算になります。
医療技術は日々進化しているにもかかわらず、がんによる死亡率はここ何十年来、減ってはいないのです。
がん患者の増加にはさまざまな要因が考えられており、現在も世界中で多くの研究がなされています。これまでの研究結果から「喫煙、飲酒、食物や栄養、身体活動、化学物質、感染」などの要素が、がん発症に関わっていると証明されており、日本人の場合は特に「生活習慣」と「感染症」が大きな要因(※2)と考えられています。
こうした背景から医療の先進国であるアメリカやメキシコ、ドイツなどでは、生活習慣や体内環境の改善を目的とした、安全で効果的な治療法を用いる「統合療法」が注目されています。
統合療法には、漢方薬や針灸などでおなじみの中医学、インド医学のアーユルベーダなど古くから存在する伝統医学をはじめ、食事や栄養療法、自然療法、温熱療法など様々な治療法があります。治療法の多くは症状ではなく原因にアプローチす
るもので、患者一人ひとりの自然治癒力の向上を図り病気の回復をめざします。
がん統合療法を実践するクリニックは、患者の食事や栄養状態を重要視するケースが多く、ビタミンやミネラルなどのサプリメントや補助食品などを用いた栄養療法を取り入れることで、治療だけにとどまらず再発予防にも力を入れています。
実際に、栄養療法を含めたがん統合療法を実践するメキシコ・ティファナのクリニック「オアシス・オブ・ホープ・ホスピタル」では、アメリカで5年生存率が平均20%とされるステージⅣの乳がん患者が、その3倍以上の75%もの生存率であるというデータ(※3) があります。
がん治療における統合療法は、抗がん剤などの化学療法や放射線療法に比べて副作用など身体への負担が少ないことから、日本でも取り入れるクリニックが少しずつ増えてきています。
ボタニック・ラボラトリーは、がん患者とその家族(パートナー)が一緒に参加できる「がんを生きぬく! 1Dayフードプログラム」を5月よりスタートします。
NPO法人がんコントロール協会の理事長でもある森山晃嗣が、アメリカやメキシコの統合医療クリニックでの研修で得た情報と、自身が45年以上にわたり研究・実践する「正常分子栄養学 」をもとに作られたこのプログラムでは、がん栄養療法の実践ノウハウを最短1日で学ぶことができます。分子栄養学や生物学の観点から、がん細胞のアポトーシス(自滅)を促進する栄養や細胞の健全な代謝に必要となる食事について学び、後半ではそれらを考慮した10品以上の料理を実践し、自身もしくはご家族の方が作れるように伝授します。
がんの食事療法では、がん細胞のエサとなる糖質を多く含む食材を制限するケースがありますが、同時に代わりのエネルギー源として主に脂質の補給が欠かせません。体に負担をかけずにケトン体質(油をエネルギーとして使える身体)を維持するためには、油の種類や実際の食事でどのように摂取するかがとても重要です。フードプログラムは、日々のエネルギー源としての油の摂り方を含め、毎日の生活にすぐに落とし込める実践的な内容になっており、一人ひとりに合わせた食事や栄養のアドバイスを1年間無料で受けられることが最大の特徴です。
現在がん闘病中の人やそのご家族、治療法の選択肢として栄養療法を検討している人は、ぜひプログラムに参加してみてください。
※1 厚生労働省「2020年人口動態統計」
https://www.gankenshin50.mhlw.go.jp/cancer/trend.html
※2 国立がん研究センター癌情報サービス「がんの発生要因」
https://ganjoho.jp/public/pre_scr/cause_prevention/factor.html
※3 オアシス・オブ・ホープ・ホスピタルのがん生存率
https://www.oasisofhope.com/cancer-survival-rates/
書籍の内容を身につけられる!
読んだだけでは分からないノウハウが分かります!
家族(パートナー)と一緒に
がん治療には本人の力だけでなく周囲のサポートも必要です。本講座では家族の方と実践できるノウハウを伝授いたします。