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Seminer

第30回統合療法コンベンション特集 統合医療の普及に努めて30年!がんコントロール協会の歩み

統合療法に関する国内最大級のイベントが今年もやってきます。30回の節目を迎える今回は、11月9日(土)・10日(日)の2日間。がん治療はもとより、アレルギーや精神疾患、糖尿病などさまざまな病気に対する効果的な治療法、予防法が学べます。イベントを主催するNPO法人がんコントロール協会の歩みとともに統合療法の考え方の一端について紹介しましょう。

統合医療は誰にとっても身近

私たちが、普段病院で治療を受ける場合、一般的に「公的医療保険」が適用されます。公的保険は「標準治療」と呼ばれ、費用の3割を自己負担することで治療が受けられます。対して「統合医療」は、公的保険の適用が受けられない自由診療です。

費用の違いはありますが近年、統合医療を選択する医師や患者も増えています。その違いの一つは、標準治療は病気の「症状」に重きを置くのに対し、統合療法は「原因」に迫るところが大きな違いとして挙げられます。

標準治療では症状を取り除くための薬物治療が中心ですが、一方の統合医療では薬だけにとどまらず、栄養療法や心理療法、温熱療法、整体、鍼灸、ホメオパシーなどの民間療法を組み合わせ、原因に直接アプローチをしたり、身体の機能の回復を図ります。

がんをはじめとする現代病の多くは生活習慣に起因するため、症状を取り除く標準治療だけでは根治が難しいケースが多く、身体の健康レベルを上げることで回復を目指す統合医療がより効果的であると考えられます。統合医療では、患者一人ひとりに最適な治療法を複数組み合わせて提案したり、患者が希望する治療や考えを優先してくれることも少なくないため、患者側にも最低限の知識があるとより良い結果が生まれやすいとされています。

統合療法コンベンションでは、複数のドクターや専門家の話を一度に聞くことができるため、統合医療の全体像が見える幅広い知識を身につけることができます。毎年、医療関係者だけでなく、安全な治療や健康に関心のある一般の方々の参加が多いのも当コンベンションの特徴です。

がんコントロール協会の歩み

1995年にスタートし、今年で30回目の開催となる統合療法コンベンション。設立のきっかけには、一人のアメリカ人女性が関わってます。今から70年以上前、カルフォルニア州サンディエゴに住む女性セシル・ホフマンさんは、乳がんを患い乳房の摘出手術を受けます。しかし、手術の3年後にがんが転移していることがわかり、余命も僅かであることを担当医から告げられます。

ホフマンさんは苦しい闘病生活の中で、統合医療に関する一冊の本と出会います。その本には、あんずの種子などに含まれる「レトリール(アミグダリン)」という成分を使った副作用のない画期的な治療法について書かれていました。

アメリカではレトリール治療が禁止されているため、ホフマンさんは医療特区であるメキシコ・ティファナに渡り、がんの統合医療で著名なエルネスト・コントレラス医師のクリニックで治療を受けます。すると、驚くことに余命わずかの末期がんから回復したのです。

ホフマンさんは自らの経験をもとに、がんで苦しむ人々を助けたいという思いから、がん患者と援助者の国際協会を発足します。その後、その活動の中心人物らによって1973年に「Cancer Control Society(米国がんコントロール協会)」が設立されるのです。

統合医療を日本で拡げるために

がんコントロール協会の日本支部ができたのは、それから約20年後の1994年のことでした。日本支部の創立者であり、理事長を務める森山晃嗣は当時、全国各地で「正常分子栄養学®」の講演活動を行なっていました。アメリカがんコンベンションに参加した森山は「ちょうどその頃からがん患者の相談が激増していた」こともあり、統合医療の必要性を強く感じていたため、本部の協力のもと日本支部を設立します。 そして翌年から「様々な統合療法の情報を一人でも多くの方に届ける」場として、第1回目のがんコンベンンション(現・統合療法コンベンション)がスタートするのです。

30年の歴史を誇る統合療法コンベンションは、数多くのボランティアスタッフをはじめ、国内外の統合医療に携わる医師との連携によって成り立っており、これまでに330名以上の医師や専門家による講演がなされ、その参加者は累計4万人を超えています。 今回のコンベンションでは、がん治療はもとより、アレルギーや精神疾患、糖尿病、難病に対する栄養療法や温熱療法などをはじめ、近年の医学のトピックであるコロナワクチン、ケトン体について、そして食料問題などにも触れていきます。これからの医療と健康を考える上で欠かせない情報をぜひ会場でお聞きください!

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