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Seminer

ぐっすり眠活でスッキリ回復を

眠りは心身の疲れをとるためにも重要。ぐっすり眠れないという悩みも睡眠の仕組みを知ることで解消できるでしょう

年齢とともに眠れる時間は短くなっていく

睡眠は、起きていた時間に溜まった疲労の回復やエネルギーを節約する効率の良い休息です。しかし、「若い頃はいくらでも寝られたのに、長く眠れなくなってきた」という悩みは、年齢を重ねると増えていきます。

これは、加齢により体重当たりの消費カロリーが減って必要な睡眠時間が減るためで、人が眠れる時間が加齢とともに減っていくことは研究でも明らかになっています。つまり、年齢とともに睡眠時間が短くなるのは自然なことなのです。

睡眠ではレム(浅い)睡眠とノンレム(深い)睡眠が90分周期で繰り返されますが、体の疲れを回復したり、細胞の生まれ変わりを促したりする成長ホルモンは、ノンレム睡眠の間に分泌されます。深い眠りは睡眠の前半、浅い眠りは後半に多く現れるので、睡眠時間の長さよりも深い眠りを得ることが大切です。

睡眠の質を左右するのは脳内ホルモンのメラトニン

眠りへと促す脳内ホルモンのメラトニンは、起床後に強い光を浴びて体内時計がリセットされると、14〜15時間後に分泌が始まります。起きている間や強い光を浴びているとほとんど分泌されません。入眠時にメラトニンが分泌されると急激に体温が低下し、ノンレム睡眠からレム睡眠へとスムーズにつながります。

夜中に起きてしまうのは、副腎皮質ホルモンのコルチゾールが多く分泌されている可能性があります。コルチゾールは体温を上げ、体を目覚めさせるホルモン。朝3時頃から分泌がはじまり、朝の目覚めを促します。コルチゾールはストレスでも分泌されるため、ストレスが多いと夜中に目が覚めやすくなります。

良い睡眠とは、メラトニンが分泌され、成長ホルモンが分泌される寝始めの3時間にしっかりノンレム睡眠がとれていること。睡眠時間の長さを気にして睡眠薬に頼るよりも、ストレスや寝る直前のスマホやゲームを避けてコルチゾールを減らすほうが効果的。メラトニンが分泌されやすい生活を心がければ眠りも深くなり、スッキリ回復できるようになります。

Q.なかなか寝つけないのはどうして?

A. メラトニンの分泌量が少ないせいかも
眠りを促すメラトニンの分泌が少ないと寝つきにくくなります。スマホなどの強い光や就寝直前のゲームなどはメラトニンの分泌を妨げるため、寝る1時間前くらいからこれらの行動を避けると自然に眠くなるでしょう。

Point

入浴は就寝1時間前にぬるめのお湯に15 分ほど浸かるのがおすすめ。エプソムソルトを入れるとマグネシウムを経皮吸収して睡眠効果UP

Q. なぜ夜中に目が覚めるの?

A. コルチゾール値が高いのかも

ストレスでも分泌されるコルチゾールは目覚めのホルモン。朝3 時頃から分泌され始めますが、ストレスでコルチゾール値が高いと、その時に目が覚めやすくなります。この値が高い人は、低い人に比べて100 分以上睡眠時間が短いことが明らかになっています。

Point

ウォーキングやストレッチなどの軽めの運動はコルチゾールを減少させる効果があるため、自律神経が整い、深い眠りを得られやすくなります

Q. 疲れや肌荒れは睡眠不足のせい?

A. 睡眠不足の影響は大

疲れた体や肌の細胞を生まれ変わらせる成長ホルモンが多く分泌されるのは、夜11 時以降の寝始めの3 時間のノンレム睡眠の間。朝3 時以降は体を目覚めさせるコルチゾールが分泌され始めるので、夜更かしをするとノンレム睡眠の出現回数が減って疲れがとれにくくなります。

Point

睡眠ホルモンのメラトニンはセロトニンから合成されるため、セロトニンの材料となるタンパク質と、合成を助けるビタミンB6の食品を摂りましょう

Q. 長く寝るほど健康にいいの?

A.40歳以降の寝すぎは危険!?

40 ~ 79 歳の中高年男女への研究で、平均睡眠時間7 時間に比べ、10 時間では「10 年後の死亡率」が2 倍以上に高まり、寿命に影響があることが判明しています。

Point

日中の長い昼寝なども1日の睡眠時間に含まれます。夜の睡眠時間を長くするために睡眠薬を使った結果、総睡眠時間が増えすぎてしまう場合は、使用を避けたほうがよいでしょう

Q. 睡眠不足が続くと病気のリスクが高まる?

A. 様々な病気のリスクが高まる

睡眠不足によって、肥満などの生活習慣病、認知症、うつ病などのリスクが高まることが様々な研究で明らかになっています。睡眠不足は食欲抑制ホルモンのレプチンが減り、食欲増進ホルモンのグレリンが増えるため、太りやすくなるリスクも。

Point

深い眠りを増やすには、日中にウォーキングなどの体を使った活動や、デスクワークなどの頭を使った活動を7時間以上行うのがおすすめ

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