ステロイドの使用をやめた時、Kさんは14歳でした。アトピーの症状は日に日に悪化していき、かゆみで眠れない日も少なくありませんでした。部活のサッカーも休みがちになり、今まで通りの生活が送れない。その時に思ったのは「何年も症状を引きずりたくない」ということでした。薬に頼らず、自分で体調をコントロールできる体をつくろうと考えたのです。
しかし、長年薬を使用してきたKさんの症状は、高校、専門学校に通うまでの5年間ほとんど改善しませんでした。それどころか、血液検査でアレルギー抗体(非特異的IgE)を調べると、正常値が170以下のところKさんの数字はなんと4000を超えていたそうです。
母親の勧めで、ステロイドが含まれない薬を試したり、アトピーによいとされる「マコモ風呂療法」を実践するために3ヶ月近く入院したこともあります。しかし状態は簡単には改善しませんでした。
思い詰めたKさんは、ついに「学校もバイトもやめたい」と、母親に本心を打ち明けます。そのとき、母親から意外な言葉を聞かされます。「やめてもいいけど、ボタニック・ラボラトリーに行ってみない?」それが運命の出会いになるのです。母親は、以前からボタニックの栄養講座に通っており「食と栄養で回復するかもしれない」と希望を抱いていました。はじめて会った森山先生から「私たちと一緒に頑張ろう」と声をかけられたKさんは、その日から少しずつ栄養療法に取り組み始めます。
食事はもともと気を使っていましたが、ボタラボの栄養指導で根本的に食べるもの、飲むものを変えました。白米や小麦粉だけではなく調味料の糖質なども徹底的に制限し、オリーブオイルなどの植物油はやめてココナツオイルに切り替えます。そしてボタラボグリーン、キャロット、ミネラルを毎日3~5杯は飲むようにします。そんな生活を2ヶ月ほど続けた頃から、夜、自然に眠れるようになっていました。調子がいい時と悪い時の波はありましたが、自分で効果を実感すると人は頑張るものです。1年後、20歳を過ぎた頃から、Kさんは栄養療法に加え、コーヒー浣腸を1日1~2回、温熱療法も週3回程度実践しました。これによって体の調子はすこぶる良くなり「発作的な症状がなくなり痒みをコントロールできる」ようになったと言います。
今では、IgE抗体の数値は600まで下がり、軽度のアレルギー症状はあるものの、薬を使用せず自分でコントロールできているそうです。ぜひ参考にしてみてください。