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Seminer

栄養を知ることが、一番の処方箋。

Doctor's Column2021.5

乳がんで「ステージ2」と診断された女性は、幸いにもリンパ節に転移していなかったことから、1ヶ月後に手術をし、術後はホルモン療法を勧められます。しかし副作用が気になり、医師に尋ねると「稀に子宮体がんになる人もいます」と言われホルモン治療をすることにためらいがありました。

そして病院とうまく付き合いながら、医療だけに依存しない強い体にするにはどうしたらいいかを考えその結果、栄養摂取に取り組むことで状態の改善に努めます。家族との8人暮らしだった女性は、夫や子どもたちと同じ食事をしつつも極力、糖質や塩分を控え、生野菜やブリ、サバなど青身魚はじめ、なるべく自然のものを多く摂るようにします。

一方で、1日500mlのペットボトル4本分の水を飲み、ボタラボグリーン、ボタラボキャロットを毎日1~2リットル摂取したそうです。栄養を体に行き渡らせるには「量」を多く摂ることがポイントだと知り、この女性は徹底して実践したと言います。さらに解毒を促すコーヒー浣腸も、ほぼ毎日行っていたようです。

栄養を体に入れていくうちに、女性は「日に日に元気になっていくのが自分でわかった」といいます。不思議なもので、いつの頃からか職場の同僚や知人から「いつも元気やね」「病気、治ったの?」と声をかけられたり、医師から余命宣告を受けたがん患者さんからアドバイスを求められることもありました。

そうして医師の処方薬を飲まないまま月一回の通院を続けました。そして手術から5年経過後の検査で「再発ナシ」と診断され、栄養摂取の継続が強い体をつくることを確信します。以来、現在に至るまで女性は栄養摂取をずっと続けており、ここ13年間はがんの再発はもちろん、大きな病気をした経験もありません。

それどころか、60歳を機に女性は健康指導師の資格を取り、いまでは糖尿病や透析を受けている人たちに、栄養指導を行うまでになっています。仲のいい薬剤師とセミナーを開いて子育て支援などにも力を入れており、「お年寄りだけではなく若い人、子どもたちを守りたい」と栄養の大切さを伝える活動もしています。

医療は病気の人を救ってくれますが、健康な体づくりには「栄養を知ること、正しい情報を得ること」だと女性は強調します。そして「毎日歩いて、日光に当たるのが元気の秘訣」だそうです。皆さんもぜひ、健康づくりにお役立てください。

私の栄養スイッチ 2021年5月号PDF