岐阜県内に住む60代の女性は、今から20年前、40代の頃に受けた住民健診で、体に異変が見つかります。かかりつけ医で「乳腺腫瘍」と診断されますが、「良性」であることから、少し安心していました。
1年後、娘さんとお風呂に入った際、胸のしこりを指摘され、すぐに総合病院へ走ると担当医から「大きくなっていますね」と言われ、細胞診を受けると右の乳房に8箇所のがんがあることが明らかになります。
乳がんでステージ2。女性は「頭の中が真っ白」になります。それまでバリバリの仕事人間で、朝7時半に会社に行き、夜10時まで残業する日々。家に帰れば夫と3人の子ども、夫の両親も同居しており、主婦としての仕事もこなしていました。それでも病気一つせず「いつも元気ねえ」と周りから羨ましがられていました。
女性のがんは、幸いにもリンパ節に転移しておらず「1ヶ月後に手術、術後はホルモン治療」の方針が示されます。
不安から救ったのは、正常分子栄養学でした。女性は、病気になる10年も前に先生と出会っていました。きっかけは妹さんで、当時「私の周りの人でアトピーに悩んでいる人が、セミナーに参加して食事と栄養を見直したらよくなった」と聞かされ、森山先生の存在を知らされます。しかし「妹は騙されているのではないか」と思い、確証を掴むために名古屋で開かれていた森山先生の講演に友人を誘って参加したのです。
結果、「正常分子栄養学」を知り、逆に栄養の大切さを思い知らされます。たまたま仕事先で、アトピーに悩む20代女性に「糖質は摂らずに栄養補給」を勧めたところ、回復できたのも驚きでした。栄養の大切さをわかっていたはずなのに、なぜ自分はがんになってしまったのか? そのときはじめて「知識で栄養を学んでも実践しないとダメ」だと気づきます。
女性は、すぐに森山先生に相談します。先生は「今までの生活があなたの体を作ったのです」と病気を受け入れ、食生活の見直しを勧めます。ハードだった仕事を定時で帰宅できるように変え、先生の指導のもと毎日栄養を補給し、コーヒー浣腸で解毒を始めました。食事は、白米、味噌汁、豆類、生野菜、魚など自然のものを食べ、手術まで徹底して免疫力アップに努めました。
1ヶ月後、手術は無事に成功、術後のホルモン剤治療については「稀に子宮体がんになる場合があります」と医師から副作用があることを告げられ「飲まない」決断をするのです。以来ホルモン剤を口にすることなく、栄養療法だけを続けます。 それから5年後の健診で「再発なし」。一体何が奏功したのでしょうか? 詳細は、次号でご紹介します。