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Seminer

食事療法と免疫治療で乳がんが縮小?

Doctor's Column2020.12

今から7年ほど前、首都圏に住む50代の主婦は胸に大きなしこりがあることに気づき病院を訪れました。乳がんと診断され、すでに皮膚にまでがんが浸潤し、外から確認できる状態でした。腫瘍は6センチ×4.5センチと大きく、ステージは3bでリンパ節に転移していました。

転移も疑われ、通常なら手術をして、術後に抗がん剤治療をして進行を抑えるのが一般的と言われています。しかし女性は「抗がん剤の副作用が怖いし、手術で乳房を切除するのも嫌なので標準治療は選択したくない」と考えます。そして免疫療法に取り組んでいこうと決意します。

女性は身長160センチほどで、体は肥満気味でした。パンや白米が大好きで、そればかりか30数年間にわたって間食の習慣から抜け出せず、炭水化物中心の生活をしていました。しかしこのままではいけないと、女性は下記5つの食事療法を実践したのです。

  1. 炭水化物や糖質の制限。
  2. 肉や魚などのタンパク質を多く摂る。
  3. 脂を変える。サラダ油は避け、オリーブオイルなど植物性の油を中心にする。
  4. 抗酸化食品、抗炎症性食品を多く摂る。ほうれんそう、キャベツ、レタス、にんじん、玉ねぎ、玉ねぎの皮の粉末、根菜系。これらを食事の半分にする。
  5. 亜鉛を摂る。例えばキナコを毎日、大さじ一杯。豆乳に混ぜるか、食事に振りかけてとる。一方、体の免疫細胞を活性化させて、がんを治療する免疫療法を併用。さらに、抗酸化・抗炎症作用があると言われている高濃度ビタミンC療法を取り入れます。結果、治療から3ヶ月後、がんは30%縮小。しかしその後、ビタミンC療法を休止したこともあって、6ヶ月後、小さくなったがんが徐々に活発になり始めます。

女性は再びビタミンC療法を始め、炭水化物や糖質の制限をさらに徹底しました。そして治療からほぼ1年後、がんは当初の半分にまで縮小したのです。(つづく)

私の栄養スイッチ 2020年12月号PDF