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Seminer

病弱な体と皮膚の病気が、20代、30代の私を悩ませた

静岡県在住 40代女性Sさんの場合

 Sさんは、小学生の頃から体が弱く「朝礼で、気持ちが悪くなって長く立っていられない」「風邪をひきやすく、人より体力がない」ことに、いつもコンプレックスを感じる少女でした。

 もっと強くなりたい、体力をつけたいと、中学ではバスケットボール部に入ります。それなりに頑張っては見るのですが、夏場のハードな練習になるとやはり体力が長く続きません。それでも「昨日の自分を1ミリでも超えよう」と歯を食いしばって練習に励みますが、指定された運動量をこなすことがだんだん苦痛になっていきます。

 その頃から、Sさんは頭皮に湿疹が出るようになり、今度は頭の痒みに悩まされます。皮膚科に行くとステロイドを処方され、それからはステロイドと長く付き合う生活になります。体力をつけたいと思って始めた部活でしたが、風邪をひいたり、熱を出したりするのも相変わらずでした。結局、中学3年間で運動は諦め、高校では吹奏楽部に入ります。

 Sさんは、体力に不安は抱えていましたが、性格的には真面目で明るくて、ごく普通の学校生活を送ります。人生が変わり始めるのは、高校を卒業してからです。

 20歳になったある日のこと体に突然、異変が起きるのです。全身に紅斑や麻疹が出て、皮膚が剥がれ落ちる症状に悩まされます。皮膚科に行くと「尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)」と診断されました。

 尋常性乾癬とは、皮膚に紅斑ができて、しだいにその表面が銀白色の細かいかさぶたで覆われ、やがてそれがフケのようにボロボロとはがれる皮膚の病気です。ステロイドや紫外線療法など様々な治療を試みますが、なかなか治りません。

 Sさんは夏でも半袖を着れなくなり、そのストレスや仕事の忙しさも手伝って、徐々に塞ぎがちになっていきます。ステロイドがだんだん効かなくなり、新たな治療法や病気の回復を求めますが結局、症状を抑えるためにまたステロイドに戻る。そんな生活が10年以上も続いていくのです。

 一体、この先どうなっていくのか? 今から思えば、子どもの頃からの食生活が影響していたのかもしれません。糖質が多い家庭料理と大好きだったスナック菓子。Sさんは不安な毎日を送りますが30代の半ばにある女性と出会ったことで、人生が変わりはじめます。ボタニック・ラボラトリーで、正常分子栄養学を勉強した女性のアドバイスでSさんの体に「栄養スイッチ」が入り、徐々に好転の兆しが見えていくのです。その続きは、次号で詳しくお伝えしましょう。(つづく)

私の栄養スイッチ 2023年6月号PDF